北海道静内農業高等学校生産馬、星翔(ライト)号落札!

8月23日(月)から5日間に渡り北海道市場で行なわれた、2021北海道市場サマーセール。
上場頭数1336頭、落札頭数1004頭で過去最高の売却総額を記録しました。

その中での注目は、毎年このセリを目標に競走馬の生産を行なう北海道静内農業高等学校の生産馬です。
今年は8/26(木)4日目にナリタトップスターの2020が上場しました。

ナリタトップスターの2020<星翔(ライト)号>

<2020.04.20撮影>

4月19日生まれ 牡・栗毛
父:マクフィ(鹿毛)
母:ナリタトップスター(黒鹿毛)

昨年の出生時は緊急事態宣言が発令しており、生徒達は出産に立ち会うことが出来ませんでした。
そして、母ナリタトップスターにとって初めての出産。
破水から生まれてくるまで40分弱。
仔馬は30分程で立ち上がり、初乳をしっかりと飲んだとのこと。
予定日より10日遅れの出産で、出生時の馬体重は40kg。
先生や生徒はかなり心配していたようですが、ナリタは仔馬をとても可愛がり子煩悩ぶりを発揮していました。

それから1年4ヶ月が経ち、サマーセール本番を迎えました。

「ここまで大きなケガもなく育ってきてくれたので、なんとか売れてほしいです。曳き運動を始めた当初は、星翔が私たちの出す指示が分からず反抗する事もありましたが、ひたすら練習を重ねてきました。この間デビューした健叶(テイエムケントオー)を現地で応援しましたが、学校にいた頃よりたくましくなっていました。いつか星翔が競馬場で走る姿を見ることが出来る日が待ち遠しいです。」と、今回ハンドラーを務めた佐藤香月さんはセリの前に話してくれました。

周りの他馬に臆することなく、テンポ良くパレードリンクを歩いているふたりの姿が眩しく見えました。
しっかりした歩きを披露した後、いよいよ会場内へ進んでいきます。

入場後、1分ほど北海道静内農業高等学校の説明や馬の紹介があり、セリが開始。
200万円のお台からすぐに声がかかり、会場内にはスポッターの大きな声があちこちから響いていました。
最終的には520万円(税込み572万円)で無事に落札され、あたたかい拍手で会場内が包まれました。

<落札者有限会社ミルファーム代表清水敏氏、JRA美浦トレーニングセンター斎藤誠調教師と記念撮影>

今回落札した清水代表は「今が旬のマクフィ産駒ということもあり注目していました。農高さんの馬は最近とても人気ですし、1000万ぐらいまでは予定していました。そして、斎藤誠調教師が是非やってみたいと言ってくれたので決めました。元気で前向きな様子なので、まずは新潟の芝1000直には挑戦したいですね。」と、話して下さいました。

「近隣の牧場や自分の牧場もですが、農高の卒業生が現在も働いてくれているのでとてもありがたいです。なので、地元に少しでも貢献したいという思いもありました。地元の人がいないと牧場は成り立たないと、常日頃から実感しています。今回の落札によって、地元である馬産地のネットワークの中で馬を育んでいけたらいいですね。」と、清水代表は馬産地に対する熱い想いについて語ってくださいました。

新潟競馬場の夏の風物詩である芝1000m直線で、星翔が駆け抜ける日が楽しみです!

セリが終わって一息ついた後、今回セリに携わった3名に話を聞くことが出来ました。

<左から生産科学科3年生の藤原結さん、佐藤香月さん、小笠原大翔さん>

「セリ場で馬を曳くのは楽しかったです!将来は馬に関する仕事をしたいという気持ちがますます強くなりました。」と、頼もしい感想を佐藤香月さんは話してくれました。

「星翔の馬名は、母ナリタトップスターのスター『星』から一文字とりました。そして、星翔の母父がディープインパクトで、武豊騎手が「飛んでいるような走りだった」と話していたので“名馬の血を受け継いだ走り”を見せてほしいという願いから『翔』の文字を選びました。とりあえず、第一声がかかったのでホッとしました」と、小笠原大翔さん。卒業後は生産牧場への就職が決まっています。

「セリで第一声がかかった瞬間に“がんばったね!”と、戻ってきたらすぐに撫でてあげたいなと思っていました」と、藤原結さん。学校のない週末は近所の牧場に作業に行っており、卒業後は競走馬の育成に関わる道に進む予定です。

これから星翔は農高を旅立ち、育成牧場で競走馬としての調教がはじまります。
セリはゴールではなく、スタート。

馬産地日高で誕生した命が高校生と共に成長し、更に地元の縁や繋がりに育まれ、立派に競走馬としてデビューする日が待ち遠しいです。