いってらっしゃい、小さな日高の星

日高の短い夏が終わり、山の木々が少しずつ色濃くなりはじめた10月初旬。

約2ヶ月半と少し長めの充電期間を終えた、小さな1頭のアイドルホースが小野町に向けて出発しました。
以前こちらの記事で紹介した、ふるさとでのんびり過ごすメロディーレーンです。

<出発直前に馬房でゴロンゴロンを繰り返し、マイペースに過ごしていました。>

新ひだか町ノルマンディーファームに来た頃は、パドック放牧からはじまり途中夜間放牧を約3週間ほど実施。
たまたま一緒に放牧されていたルミナスナイトが、一時SNSでメロディーレーンと放牧されている馬として話題になりました。

<放牧中はずっとそばに寄り添い仲良しだった、2頭>

<調教開始後、クールダウンが一緒になる時もありました>

ご存じの方も多いかもしれませんが、メロディーレーンを管理する森田直行調教師が発信するInstagramは、すでに7,000フォロワー越えの人気ぶり。ノルマンディーファームに帰省中の様子はスタッフが撮影し、森田調教師に毎日送っていました。

「どの角度が可愛いか?今日はどんな様子を撮影しようか?馬を撮影する習慣があまりなかったので、結構悩みましたね…。写真フォルダが気づいたらメロディーレーンばかりになっていました(笑)。」と富島場長。
ファンの皆さんにとっては、羨ましい状態ですよね。

G1馬でも重賞馬でもない馬がこれほど人気が出たことに、育成を担当したノルマンディーファームのスタッフをはじめ関係者も驚いたそうです。
小さな体でひたむきにターフを走り抜く姿とそのパワー、そして愛くるしい顔がファンを虜にしたのだと思います。

残暑感じる8月末に夜間放牧を終え、9月より少しずつ騎乗をスタート。
こちらにいる間、調教を担当していた安藤昭世さん。


調教をスタートした頃、このように話して下さいました。

「夜間放牧で体がリラックスし緩んでくると、腰にくる馬もいます。メロディーレーンもそうでした。ゆっくりと坂路を走ることからスタートし、またしっかりと走れる体づくりを意識しています。」

放牧期間が長かったのでリラックス出来た分、走る体に戻していくのは大変だったのではないかと思います。

そして、9月下旬には坂路を2本上がる調教を開始していました。
「この馬は走りが軽く、スピード感があります。体がだいぶ出来上がり、本人も動きやすくなったんでしょうね、トモの使い方が上手くなってきています。最近は坂路コースへ向かうのに右を向いた時点で、テンションが高くなります。スタートから行く気満々で、なだめながら乗ることもしばしばです(笑)。走りたくて仕方がないんでしょうね。」

調教を開始する前はのんびりゆっくり食べていた飼い(食事)も、しっかり運動するようになってから食いがよくなってきたとのこと。

以前、安藤さんは「俺が体重が軽いから担当するようになっただけ」と言っていましたが、今年60歳のベテラン騎乗スタッフです。

周りのスタッフから頼られ一目置かれる存在の安藤さんとメロディーレーン――。
お互いにとって、きっとよい夏の思い出になったのではないでしょうか。

<左から安藤さん、バウバウちゃんと呼んでいた渡邉さん、富島場長>

 

出発前、オーナーの一人である岡田牧雄氏は、「夜間放牧を行ない、小さい体なりにも少し大きくなってほしいなと思っていました。現在は380キロです。これから移動し更に調教を重ね、350キロ台をキープしてレースに臨めるはずです。それでも他の馬に比べたら、やはり小さいですけどね…(笑)。こちらで充電出来た分の成果がレースに出るのではないかと思う。まだまだ可能性を秘めた馬です。」とメロディーレーンを優しく撫でていました。

ひたむきでパワフルな小さな日高の星が、また競馬場で走る姿が見られるまでもう少しです!