バイバイ、健叶…。またね、健叶!

今年北海道市場で行われたサマーセールで一躍話題となった、北海道静内農業高校から上場した健叶(ケント)号。

〈2019年5月28日撮影〉

セリ本番では目標としていた農高歴代最高価格をすぐに越え、あっという間に1000万の大台に。
会場がざわつき始め、生徒を代表して馬を曳いていた山形さんから動揺を隠せない様子が伝わってきました。

結果は2,500万円で落札!
会場内は温かい拍手に包まれました。
その時の気持ちを山形さん(3年)は振り返ります。
「1000万円を超えたあたりから驚きを隠せなかったですが、予想を大幅に上回る価格に高校生が生産したから注目されているのではなく、本当にいい馬なのだと認めていただけているんだと実感しました。」

記念撮影の場では、緊張から解き放たれ高額落札の喜びを分かち合うように、彼女たちはギュっと抱き合いました。

落札したテイエムオペラオー・テイエムプリキュアなど“テイエム”の冠で知られている竹園正継さんは「午前中の展示馬を全部見ましたが、この馬以上に気に入る馬がいなかった。体つきもしっかりして、とてもよい馬です。」と話して下さいました。

セール終了後は新ひだか町内がこの話題でもちきりになったのはもちろん、全国区のニュースでも取り上げられました。

健叶が学校を旅立つ9月7日――。
雨がちらつく午前に彼女たちに再び会いに行った際は、だいぶ取材に慣れた様子でした。

「成長していく過程でいつもそばにいたので、健叶が頑張っていると自分も頑張らなきゃ!と思うような存在でした。ひとつでも多く勝って欲しいのはもちろんですが、勝敗に関わらずファンに愛される馬になってほしい。今まで本当にありがとうと伝えたい」と清水さん。(写真中央)

「健叶を描いてみたんです…。」と、若干照れながらもイラスト画像を見せてくれた、南部さん。(写真左)
離乳後の放牧地で、茶太郎(通称:ちゃた)と仲良く過ごす健叶の様子が描かれていました。

馬運車に乗せる時に淋しくなって泣いてしまうのでは?と思ったのですが、「先生から“今日も普段通りに接して涙を見せずに送り出してあげよう”とのアドバイスがあったので、泣くのは健叶が行った後にします…。」と、いつも通りに手入れをしてあげていました。

これから健叶は人を乗せる訓練からはじまり、競馬場で走るために様々な訓練を山田ステーブルさんで行なっていきます。

「健叶は本当に頭のよい子です。離乳前は割とやんちゃでしたが、セリ前のウオーキング練習や写真撮影の際に指示を出したらすぐに従う素直な馬です。」
生徒たちから沢山の愛情を注がれ素直でたくましく育った1頭の競走馬が、競馬場を駆け抜ける日が今から待ち遠しいですね。

バイバイ、健叶。またね、健叶!