北海道大学静内研究牧場 其の一:馬産地の歴史

二十間道路桜並木を更に奧に進むと、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター静内研究牧場があります。

かつてここは「宮内省新冠御料牧場」のあった場所です。

輓馬(ばんば)・軍馬の繁殖・育成、品種改良が行なわれていました。

「~静内村宮内省新冠牧場仔付牝馬追込厩~新ひだか町博物館所蔵」

 

現在は北海道大学の研究牧場として、日本在来馬8馬種のうちの1つである北海道和種約80頭、和牛の日本短角種150頭を飼育し、家畜生産に関する総合的な教育研究の場として毎年多くの研究者や学生が来場しています。

そして毎年冬期期間(12月~1月)は北海道和種を中心とした60頭近くの馬が、330haもある林に放牧されます。

その様子を紹介する前に、馬産地日高の歴史について少し紹介します。

 

まず、馬にとって日高とはどのような環境かというと・・・

・なだらかな斜面の丘陵地が多い

・雪が少ない

・餌となるミヤコザサが豊富

「~静内村宮内省新冠牧場観農台よりシベチャリ川流域展望~新ひだか町博物館所蔵」

馬目線でいうと、駈け上がったり下ったり運動する広大な土地があり、さらに餌も豊富で、まさにいうことなしの環境であったのではないでしょうか?!

 

江戸時代、馬は交通や運搬をメインに使用されていましたが、明治時代以降利用目的にかなった馬を育てるしくみ、販売するしくみが整えられました。

 

日清戦争後、政府は良質の軍馬を生産するため、日本の馬の体格向上を目的とした「馬政計画」(馬政第1次計画1906~35/第2次計画1936~54)をすすめました。西洋種を種馬として導入し、在来の雌馬と交配させ雑種を作り世代を重ねることで、日本の馬を大型化しようとするものでした。

第一次計画では種馬牧場の設置や品種改良等を実施し、組織や施設等を整えて事業を行ないました。

第二次計画では特に地域別・役種別に馬の生産が行なわれ、新冠・静内・三石が乗用馬の生産地とされた事により、今に繋がる乗用馬繁殖のノウハウが現在に繋がっているのです。

「昭和十二年九月 馬政第二次計画提要 出典」

 

用途に応じて、血統を意識した馬を作る技術は80年前から行なわれていたという事になります。

日高地方に宮内省新冠御料牧場の設置、日高馬市会社の設立、地元競馬の開催と、馬を生産し販売するしくみが明治時代からすでにあった事が、現在の馬産地日高に繋がっていったのです。

 

まだまだ馬産地の歴史については沢山ありますが、もっと勉強してからまた紹介出来たらと思います。

 

思ったより長くなってしまいましたので、次回の記事で12月中旬~1月中まで行なわれる北海道和種を中心とした60頭の馬たちの冬期林間放牧の様子を紹介していきたいと思います。

「~雑種繁殖牝馬の放牧~新ひだか町博物館所蔵」

 

新ひだか町地域おこし協力隊

糸井いくみ

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