第3回「Hidaka Player’s Talk」太田一徳さん

太田養蜂場の太田一徳と言います、よろしくお願いします。

この格好なんですけど、実際に蜂の中で作業する格好で、この網をおろして作業するので、ちょっとリアリティがあるかなと思ってこういう格好で来てみました。

今回ボクがお話するのは「日本版遊牧民がおくるハチミツの話」ということで、話させていただきます。まず軽く自己紹介させていただきたいと思いますが、名前は先程話した太田一徳です。年齢は36歳の養蜂家です。養蜂歴としては10年となっていますけど、本当はもっと長くてやってますがブランクがあるので少なめに書かせて頂きました。夢がハチミツやローヤルゼリーなどでたくさんの人々を笑顔にするというものがあります。

ちょっとボクよく噛むので聞きにくい点もあると思います。そのへんもご了承とあまり進まない時もあるかもしれませんが温かい目で見守って頂けたらと思います(笑)。

 早速初めていきたいと思います。

まず、タイトルの「日本版遊牧民」のお話ですが、いきなり答えを言ってしまいます。

僕達「移動養蜂家」のことを指します。ただ一口にこう言ってもちょっとわかりにくいと思うので、遊牧民と移動養蜂家の共通点というか同じようなところを話していきたいと思います。

移動養蜂家とはどういうものかというと、ミツバチと一緒に全国各地を移動して増群 これはミツバチを増やす事と思っていただければよいです あとハチミツを採っている養蜂家のことを言います。

遊牧民というのは季節に応じて家畜を飼育しながら移動して、畜産物を生産して生活している民族のことをいいます。

こういう状況から、ほぼ同じようなことをやっているということで、移動養蜂家のことを日本版遊牧民と言えると思いっています。

こういう風にタイトルを付けさせて頂きました。

 

今度日本版遊牧民、僕達移動養蜂家の四季、一年の流れをざっくりとお話させていただきます。

冬春夏秋となっていますけど、ちょっと季節あべこべなんですけど、移動のスタートは冬になっているのでこういう順番にさせて頂きました。

冬11月に鹿児島にミツバチと一緒に移動していきます。ついこの間11月4日から12日まで鹿児島に移動も含めて弟と行ってきました。

鹿児島では何をやるかというと増群が目的で行きます。

今まではハチミツも採っていたんですけど、実はちょっとハチミツも採れない状況がありまして、理由としてはこの後ちょっと出てくるんですけど、そういう状況があるのでミツバチを増やすことに専念するというようにしています。

 

次、春なんですけど、ここからハチミツを採ることが始まっていきます。

僕たちは鳥取・秋田・北海道と日本を縦断してハチミツを採っています。花の開花状況に合わせて北上して行くんですね。日本列島って縦長でうまく出来ているなと思っていて(僕達にとっては)、鳥取で採って終わった頃に秋田で花が咲く時期になるんですね、そういうことがあるので徐々に北上していきます。で今度、鳥取・秋田と終わったら夏6月下旬から9月中旬頃なんですけど北海道で様々なハチミツを採ります。様々なハチミツと言っているんですけど種類としてはだいたい5種類くらい。その状況とか、その年によって採れるハチミツは減ったり増えたりします。

 

ハチミツを採った後、秋なんですけど、移動の準備が始まります。

移動の準備ってどんなことするのって話なんですけど、色々あるんですが例えば鹿児島に蜂を持っていく時に流石に鹿児島でも冬はハチミツ採れないんですね。ですので夏に採ったはちみつで敢えて絞らないで置いておいたハチミツをミツバチの箱に預けてあげたりとか、それで足りなかったら餌をあげたりします。

後は移動するときにやっぱり揺れたりするので蜂の巣を固定するように、箱からずれて下に落ちないようにちゃんと固定をしたりロープで縛って蜂を運びやすくしたり、そういう作業をしています。

 

僕達が全国を遊牧しながら採っているハチミツの話をさせていただきます。

まず最初、鳥取からのスタートになります。鳥取では4月下旬から5月上旬頃にレンゲのハチミツを採っています。レンゲのハチミツっていうのは「ハチミツの王様」と呼ばれるくらい芳醇な風味が特徴のハチミツなんですね。昔鹿児島でも採っていたんですけど、実は害虫が発生したり海外から入ってきたアルファルファタコゾウムシという変な名前の害虫がレンゲの花を食べちゃうんです。それでハチミツが採れなくなったり、農業形態が変化して例えば肥料とかが今まではレンゲを田んぼに植えて、生えたレンゲを耕うん機で漉き込んで肥料にしていたんですけど、化学肥料が発達して皆さん化学肥料を使うようになってきてレンゲを植える方が少なくなってきました。それと兼業の農家さんが増えてきているんですね、平日何処か別のところで仕事をして休日に農業をするという方、ちょうど見ていただくとわかると思うんですけど、レンゲのハチミツを採る時期はちょうどゴールデンウィークなんですね。その時に全部せっかく咲いたレンゲが漉き込まれちゃうんですね、ですのでうちはかなり生産量が減っています。他のところも状況も似たような状況になっていますので全体的に希少性が上がっているハチミツになっています。

次はアカシアなんですけど、これはクセの甘さと風味で「ハチミツの女王」という別名を持っているんですね。鳥取って王様も女王様も採れるちょっと特殊なところなんですけど、日本人が好むと言われているハチミツです。

このハチミツなんですけど実はこれも鳥取ではあまり生産量が上がっていないというのがありまして、鳥取砂丘とか鳥取空港のまわりでハチを置いて採っているんですけど景観を良くするということで大きい木とかがバサバサ切られています。花の量も減って生産量もちょっと減りはじめているのが現状です。後、木はすごく強いです。硬い木ですし色んな所で繁殖力がある木なんですけど。花は逆に弱いんです。強い雨とか強い風が吹いたら一晩で花が散っちゃうようなものですので、そういう低気圧がこの時期来やすいとかもあって生産量が減っています。

ちょっと暗い話だったんですけどこういう現状があるって事を知って頂きたくて、敢えてお話させて頂きました。

 

次、鳥取を離れて秋田に移動していきます。秋田は5月下旬から6月中旬ころ、トチのハチミツを採ります。実は意外に身近なところにもありまして、みゆき通りの街路樹というのは実はトチが多いんですね。トチのハチミツなんですけど、強い甘さが特徴です。ちょっとほんのり花粉の独特の風味を感じる方も稀にいらっしゃいますが、その甘さっていうのが特徴的で、砂糖に比べカロリーが低いものなんですけど、より甘さが強いので使用量が少なくなるので、より健康的というかよりカロリー低く食べて頂けるハチミツなのかなと思います。

 

秋田が終わると北海道の日高周辺でハチミツを採っていまして、まずアカシアを採ります、アカシアは先ほど説明したので詳しくは割愛しますが実は鳥取に比べて甘みが強いように感じます。

僕自身の個人的な見解ですのでそう思わない方も実はいます。味覚って個人差がありますので、僕は甘み強いと思うのか、理由を考えたらやっぱり土壌の違いっていうのがあると思います。後、花の量も関係していまして、アカシアは鳥取も少ないという話はしたんですけどより日高のほうがより少ないイメージがあるんですね。ということはミツバチが必要な量が採れないというか、そうするとやっぱりそうすると他の花に行っちゃったりするんです。それが例えばホワイトクローバーですとか。他の甘みが出ているのかなと思います。

で次なんですけど、7月上旬から8月上旬頃、ホワイトクローバーのハチミツを採ります。

これはあっさりした甘さと酸味が特徴のハチミツなんですね。

日高って馬産地ですので牧草地すごく多いんです。その牧草地に咲く花なので、日本有数の産地と言えます。ただ日本有数とちょっと謙遜してまして僕実は日本一だと思っています。理由として、京都産業大学という大学があるんですけど、そこの高橋准教授って方が京都の観光客とかお土産屋さん養蜂家と関係ないお土産屋さんに国内外のホワイトクローバーを幾つか食味検査、官能検査したみたいなんです。その時の結果でうちのホワイトクローバーが一番美味しいと言われたんです、そういうのもあってぼくは日本一のハチミツだと思っています。

次なんですけど7月下旬から8月上旬にシナノキ、菩提樹のハチミツがあるんですけど、実はハーブのような風味が特徴的です。「香料使っているの?」と言われることもあるんですけど全くそんなことはなくて、なんでこんな風味がするのかというとシナノキってリンデンバウムってハーブに使われる木の種類なんですね。ですのでこのような風味がするんです。これはブルーチーズとかの相性とかすごくいいので大人のハチミツといえるかもしれません。

 

次なんですけど8月中旬から9月上旬頃、オオハンゴンソウのハチミツを採っています。今結構この時期になると道路脇ですとか、線路脇ですとか牧草地のまわりとかにに咲く黄色い花なんですけどほんのり柑橘系の風味と黒糖のような甘みが特徴なんです。

こういう特徴からよく「はちみつらしくない」っていわれるんですね。

ハチミツ苦手な方もこれだったら食べられると言ってくれるくらいのもので、でも実は北海道あまり人気ないんですよ。好きな方少なくて、じゃあどこで人気あるかというと東京ですごく人気あります。東京の北海道展とか出させてもらう時があるんですけど、そのときは日本人が一番好きっていうアカシアと同じくらい利用されます。

今回例外っていうのもあるんですけど、例外というのは百花蜜と言います。何で例外かというとブレンドのハチミツでして、ミツバチが自分たちでいくつかの花の蜜を集めて来る時もありますけど、自分たちでもブレンドのハチミツを作ること、アカシアとクローバーとシナ入れようとか、ちょっと時期が限定できなかったのでこのような書き方をさせて頂きました。

この百花蜜は養蜂場によってもかなり個性が出るハチミツですね。

それぞれの土地で採れるハチミツも違いますし、そういう意味では養蜂家の特徴を楽しんで頂けるハチミツなんじゃないかなと思います。

この百花蜜に関してちょっとひとつだけ注意があって、ここにおられるかわからないんですけど、そばのアレルギーの方ですとか、そういう方は百花蜜はそばが入っていることがあります。日高周辺はあまりないのでうちのハチミツには入っていないんですけど、十勝ですとかそういうところのものはそばの蜜が入っていることがあるので、もしアレルギーがある方いましたらちょっと販売先で裏を見たら養蜂場の名前書いているのでそちらに問い合わせして頂ければ調べることが出来ますのでそういう方は注意して頂ければなと思います。

 

ハチミツの裏話ということで、表の話どうしたって思うんですけど、今まで話しのたが表と取って頂ければと思います。

精製ハチミツって言葉聞いたことありますか?

精製ハチミツというのは、ハチミツの色とか風味とか花粉を取り除いたものなんですね、実はこの精製ハチミツを作る過程で栄養価も失われると言われています。

この前にハチミツの定義をしてみたいと思うんですけど、これは「ハチミツ類の表示に関する公正競争規約」というものから抜粋したものなんですけど、「ハチミツとはミツバチが植物の花蜜を採集しそこに蓄え熟成した天然の甘味物質」という定義があります。他に糖度78度以上とかあるんですけど、そこは割愛させていただきますが、これが基本的な定義だと思って下さい。

ただ、同じ規約の中に、こんな定義もあるんです。

「ハチミツには精製ハチミツまたはローヤルゼリー、花粉、香料、果汁もしくはビタミンを加えたものも含むものとする」と書いています。

今言ったはちみつはこのハチミツです。この規約に書かれたハチミツなんです。ということは、精製ハチミツもハチミツとして定義されているんですね。そう考えるとよくあるハチミツ入る商品、例えば飲料ですとか化粧品とか、材料表示にハチミツって書いてあってもどんなものを使っているかわからないんですよ。栄養価のない精製ハチミツが使われている可能性があるんです。じゃあ精製ハチミツを使うことに対してメリットはないのかなと考えてみました。これだけありました。安く購入できます。製品の風味や味を邪魔しません。ハチミツ本来の風味を全部取っているので、あと無色透明なので色の影響もないです。商品自体の色を変えるとか邪魔するとかないです。何よりハチミツ入りってうたえるんです。

そんなメリットがあるのでコストを下げたいと思っているメーカーは使うと思わないですか?ボクはすごく思っていまして、いろんなものを見ますけど、百何十円でハチミツ使ってるのかなと思います。

じゃあこういう商品を、本当に純粋なハチミツを使った商品をどうやったら使えるのかなと考えました。シンプルな話ですけど、養蜂家から直接購入して自作するのが一番ですね。僕達養蜂家はお客様に届ける責任があるので変なことってなかなかしないです。なかなかって変ですね。しないですね。ですので本当に純粋なものを皆さんに届けようと努力しています。ですのでそういうところから購入して自作するのが本当に間違いないです。

ただ、作り方がわからないという場合もあると思います。

そういうときには静内でも幾つか学ぶ場所があるんですね。今樋口さんが話しいただいた「はちみつフェス」もそうです。直接うちの養蜂場に来ていただいてどう使ったらいいのって聞いてもらってもいいですし、ちょっと身内の話なんですけどビーズバーってバーが春香園さんの向かいの建物の2階にあるんですけど、そちらでもハチミツ入りのカクテルだとかを出しているので中身何と何をあわせているのと配分までは教えてくれないと思いますけど、あわせているものを教えてくれると思うのでそういうのを参考にしながら、今はインターネットもありますのでハチミツに関することを調べるとだいたい出てきますのでそういうもので調べて作って頂けたらなと思います。

 

最後になります。僕達養蜂家というのは本当にさきほど言いましたけど本物のハチミツをお届けできるように一生懸命やってます。そのために全国を遊牧しているんですね。今回ちょっとはちみつを食べる時にこういう話を思い出していただくとかお酒の席とか仲間とか友達と集まった時にちょっとでもこういう話をして頂けたらうれしいなと思います。

 

ちょっとたどたどしかったですけど、ご清聴ありがとうございました。

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