第2回「Hidaka Player’s Talk」本庄美穂さん

皆さんこんばんは。

まず、自己紹介をさせていただきます。

私は静内で生まれて春立で育ちました。高卒後から20代は理容師・美容師の免許を取って働いていました。実家が理容室をやっていたので、当時特にやりたいことを見つけていなかった私は、何となくというところから始まっています。実家の理容室には4年いて、美容に興味を持ちはじめ苫小牧に引っ越し、20代後半まで勤めていました。朝7時半出勤で帰宅はいつも10時頃、そんなハードな毎日で、この店をやめ静内に戻ることを決め、美容室髪型屋さんに1年数カ月働かせて頂いてお世話になりました。当時様々な迷いや疲れが溜まっていた時期だったので、どんどん楽しむ意欲がなくなって働ける状態でなくなっていくという形で辞めていくことになります。うつのような状態でした。

 1年しっかり休むことを決め、体と心を整えるというより、溢れてくる感情や無気力さをとめどなく流して出してあげようという感じで日々過ごしていました。そうすることで落ち着いていき、私にできることは「何もない」と認められるようになり、少しずつ以前の私を取り戻していきました。そんな中、今私は何が好き?と自分にたずね、その時シンプルに浮かんできたのが「じいちゃん、ばあちゃんは好き」だったのです。

20代後半から30代後半まで介護の仕事につきます。

私は進路が変わる時「好き」と感じる部分からすごくパワーをもらえるタイプのようで、自分を信じる力を再確認できます。

 介護の仕事は私自身のリハビリでもありました。認めあうことで生まれる笑顔から命の深さと家族のあり方、生活するということ、学んだことは数え切れません。

「自分にできることから始めよう」という芯の部分を9年間で太くすることが出来ました。

介護を離職したのは父の体調悪化のためでしたが、在職中介護従事者の方の疲労軽減や入居者の方に活かせるものを学びたく、ハーブコーディネーターの勉強もしていました。

在宅介護になるだろう中で、この学びを実践していくのは今だと思い、離職して数ヶ月お花のパートを経て、ハーブ販売、ワークショップをはじめた経緯となります。

自然に興味を持ったのはある木との出逢いから

この写真は介護職の休日に身近な植物を撮ったものです。

カメラに興味を持ち始めて身近な植物や風景への関心が強くなっていく時期でした。

この息吹の瞬間のような写真を取るのが好きで、静内川の雨上がりの自然やつぼみ、芽出し始めた植物、水面に注ぐ光の輝き。当時は特にそういうものにひかれていました。

特に水の心地よさを知った時期で、水の香りと植物の香りを求めてドライブをしていました。そんな中、中札内という場所にピョウタンの滝があることを知ります。とにかくここへ行ってみたい!という気持ちが湧いてきて、どんな場所なのかもよく調べず私は向かいました。

こういう時の閃きのような直感はすごく大事にしていて素直に従います。

 よく、友人には「中札内?何もないっしょ?」「何がいいの?」と言われることもありました。私にはとにかく最高の場所で、ここは独り占めで楽しみたい!わかる人にしか教えたくない!と感じる程で、その場の引力のような、自然の包容力のような暖かくて静かな空気感。とにかく大きかったんです。それと、自分はなんて小さいんだろうかと感じたことがすごく嬉しかったんです。それと同時に自由でいいんだ!何だかよくわからないけれど大丈夫なんだと思いました。

 その時に写した写真が、この木の写真です。木の名前はわかりませんが、私には赤ちゃんを抱っこしているように見えて、10分ほど見上げていました。この木のねじれから、雨風に相当晒されながら成長してきたのが察しられます。

それなのに芯があり、母性的で柔らかい印象と、伸びやかなたたずまいに圧巻でした。ただただ眺めながら、自然ってすごい!私は守られているなあ・・・自然にはかなわないなあ・・・と感じた記憶があります。

この木との出会いから自然に対する目線や植物のことをもっと知りたいという気持ち、私に何ができるだろうか?という想いが湧いてきます。

ここから夏になると中札内に行くことが増えました。

 水量が多い時のピョウタンの滝は迫力がものすごくて吸い込まれそうな勢いと音に恐さを感じながらも、マイナスイオンを浴びたくて、写真を取りたくて水しぶきを受けながら撮った記憶もあります。今は立入禁止になっているかもです。

水と植物のエネルギーを浴びたいときには、ここでした。

通いつめていくうちにふと疑問が出てきて。ピョウタンの滝のすぐ横に静内⇔中札内の作りかけの道路が通行止めとなってあるのですが・・・

その道路を眺めながら、この山を超えたら静内につながっているんだよなあ・・・と。

何で静内の自然じゃダメなんだろう・・・なんで中札内がいいんだろうか?という問いが巡ってきて、私の中で違いを見つけようという時期に入りました。

「静内の自然じゃ中札内の雄大な自然が感じられないからかなあ・・・」

「空気感の違いからかなあ」

「ここの自然の温かい包容力を感じることのできる場所はあるかな・・・」

と比較していくうちに気づいたんですよね。

同じじゃなくていいんだ!静内にある自然の良さは静内のものだから。という気持ちに変化していったんです。

そして私、以前よりこの町を好きになってきてるということに気づくんです。

嫌なものを好きになるのは、とても難しく認めることでさえできないものだと思います。

30代前半まで、この町の良さを見つけようともしていなかった私がいて、山を超えて中札内や違う場所に求めてしまいました。でもそれって悲しくない?jそういう自分のままは恥ずかしくない?と変化していきました。

チャレンジすることを楽しんでいきたい。

私は言葉遊びや感じを分解して遊ぶのが好きです。文字や響きからくるイメージを大切にしています。例えば「楽」という漢字。これを私なりに分解すると「白い羽を付けた天使が木の上にいる」というイメージになります。パタパタと飛んでいるような軽やかなイメージです。そういう遊び心を大事にしたいなと思い、屋号を作りました。

それが「H”eart”(エイヂ イアード」です。

ハーブの活動をするにあたって、大切にしたいキーワードがありました。それは「心と体」「循環すること」「五感に響くこと」「年齢に関係ない」ということです。この4つのキーワードから「Heart」という英単語のイメージが浮かびました。同時に「エイヂレス」な扉が開くイメージも湧き、「H”+eart”」となりました。

この中には、私の名前も一分も含まれていて、本庄のHと美穂の穂にあたるearがあります。H”eart”は私自身と思って活動もしています。

「何て読むの?」とよく聞かれるのですが、私はとてもこの屋号が気に入っています。

H”eart”が特に大切にしたい「循環」というキーワード。

これは植物の目線から見るとすごく当たり前なことなのですが、育っている場所で自ら循環させながら環境を整えているということ。雑草の生命力の強さに困っている方が多いと思うのですが、私はそうは思えなくて、その土の状態に足りないものを補おうとしてくれていたりするので、見守りたい気持ちになります。

私はfairy gardenというハーブと野菜を融合させ育てているのですが、雑草はとても役に立っています。去年そこは、ハーブを植える前、ほぼシロツメクサとスギナの土地でした。去年シロツメクサを完全に取り除かずに、ハーブや野菜を植える部分だけを念入りに起こして部分的に植えました。

成長が部分的に全然違うのも気づける結果となり、雑草のありがたさと雑草の困る部分も見えました。適度な雑草は土の水分を調整するのに有効で、雑草がある部分のほうが元気に育っているものが多かったですし、どの植物が相性が良いのか等も見えてきました。ボリジはシロツメクサと相性が良いことも発見できました。

スギナは、ある程度残したほうがハーブの成長を支えてくれていました。

パクチーを育てながら気になるスギナをきれいに抜いたところとある程度残したところだと、残している部分のほうが成長していました。

互いに助け合って成長している関係性は、素晴らしく思い、手助けはほんの少しでいいということ。そしてスギナも素晴らしい成分を含んでいる植物ということ。ご存じの方もいると思うのですが、スギナはミネラルを豊富に含んでいるハーブで、貧血の治療薬や強壮剤のハーブティーとして利用されたりもしています。

スギナには、ケイ素が多く含まれていて、髪や爪にも良いとされています。フレッシュのスギナを使ってハーブバスとして使用してみました。毛穴を引き締めてくれることもあり、肌もキュッキュッとなる感じで爪も同じように感じました。

このように雑草だけれど役割も持っている植物なんです。

その場所に生えている植物たちの役割の中で共生していく姿は学ぶことだらけです。

今年からfairy gardenをとくり始めていますが、生えてくる植物に変化が見られてきています。オオバコが生えてくるようになり、スギナは減りました。1年の間で様々なものを植えたことと、自然のままをできるだけ活かしている環境の中、去年より成長が良いものが多かったです。植物は好きな場所へ移動していく性質があるので、それもまた来年の楽しみでもあります。

手をかけすぎることをしないでハーブの生命力を信じる。これは意外と忍耐です。「自分の気持ちを強く持って、その時を待つ」という姿勢になります。発芽までの間は特にそう思います。心配になって自己嫌悪になったり、手をかけてしまって失敗に繋がったりしまうこともありました。自分の信じる力のバロメーターが見えてくるんですよね。

 

人間関係でもそういうことが多々あると思いますが、植物に関わりながら、私は試されているなあと実感しています。土の中の成長の過程は目に見えません。順調に成長しているのにわからないんです。

人の心と体も、まさにそうだなあと思います。わからないことは不安につながりやすい。でも信じる力が備わってくると、その過程を楽しむということに変化していきます。

ハーブや植物と関わることで、自分自身の循環作用にも気づいていき「そうだったのか」といつの間にか思えてきます。

育てているはずが、育てられているような、守られているような、ハーブたちはとてもたくましく強く優しく教えてくれます。風に揺れながら大丈夫と寄り添ってくれます。共存している命として、人も植物も境目はないと思います。

互いに循環し合える関係性であり、ハーブの活動を通してそういう部分を大切に伝えていきたい想いでいます。

もちろん私自身がまず楽しんでいないと、いいものは提供できませんので、チャレンジを楽しんでいこうと思います。

ハーブが教えてくれる循環すること。

ハーブは生活サポート隊だと思っていまして、どんなサポートがあるのかというと、

・リラックスした時間をサポート

・疲労回復をサポート

・ヘルシーをサポート

・体の巡りをサポート

等があります。

日用品と同じような感覚で取り入れてもらってかまわないです。なぜなら薬としてではなく、楽しみの延長線上として、日常の健康管理に役立ててもらいたいからです。

ハーブの魅力はブレンドやコラボする内容によって変幻自在に活用できることです。例えば今日のラッキーカラーに合わせて飲んでみたり、見た目の色の変化や香りと味の重なりを楽しんだり五感を遊ばせるアイテムの1つくらいの感覚で身近に感じてもらえたらと思います。

 

静内は自然に囲まれた場所です。この環境に根付いている植物たちのパワーを私たちの生活に取り入れることは、優しさといたわり、忘れかけていたものに気づける時間になるのではないだろうか・・・その思いからハーブティーのブレンド販売をしています。

その方の身体の悩みに合わせたブレンドを提供したり、季節の変化に合わせたブレンドを作ったり、ブレンド作業はインスピレーションと今をつなげてくれるので、この自然環境に感謝しています。

今年、日高昆布、ナナクラ昆布を使用して、kobu HERB(ピンク) kobu HERB(ブルー)を作りました。海と植物の恵みをあわせたハーブティーを作りたくて、昆布茶のようなハーブティーとして全くタイプの違う2種類です。昆布を使うというヒントは、今年あま屋の天野さんとお話させていただいた中で、イメージを広げていくことが出来ました。ありがとうございます。

 

kobu HERB(ピンク)は、日高昆布がブレンドされている、リラックスできる香りとほうじ茶を飲んだときのようなお腹に収まるようなほっこりとした感じにまとまっています。

 

kobu HERB(ブルー)は見た目の色の変化から始まって、昆布なんだけど後味がスッキリ。遠くに昆布を感じさせることが出来ます。こちらはナナクラ昆布を使用しています。

植物の恵みがあって、海の恵みに繋がるということを、このハーブティーで表現した形です。循環するサイクルの中に私たちの生活があって、すべて一部にすぎないものが支え合っている。ハーブの活動をしながらそう感じています。

 

海岸沿いに見かけるハマナスもいつか、ご縁がつながってハーブティーにしたいと願っていたた、今年その願いが叶い形にすることが出来ました。

 

ナチュラルリゾートハイジアで客室用ウェルカムドリンクとして利用いただいています。

 

ワークショップを提供する時も、この時間から何かに繋がる橋渡しのような場を意識して、様々なものとコラボしながら楽しんでいただいています。

1杯のハーブティーや体験会から見えてくるのは、小さなきっかけでクリアになっているのは認めていくということなんだと感じています。今回お話をさせていただいてとてもいい経験になりました。ありがとうございました。

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